状態空間解析とは何か?
状態空間解析の定義
制御システムの状態空間解析は、一連の変数を使用して時間経過に伴うその挙動を記述し、単純なシステムから複雑なシステムまで分析する方法です。
状態空間方程式
線形かつ時不変のシステムの状態空間方程式を導出しましょう。
r個の入力とm個の出力を有する多重入力多重出力システムを考えます。
ここで、r = u1, u2, u3 ……….. ur。
そして、m = y1, y2 ……….. ym。
今、n個の状態変数を用いて与えられたシステムを説明しますので、n = x1, x2, ……….. xn。
また、入力ベクトルと出力ベクトルを次のように定義します。
入力ベクトルの転置。
ここで、Tは行列の転置です。
出力ベクトルの転置。
ここで、Tは行列の転置です。
状態ベクトルの転置。
ここで、Tは行列の転置です。
これらの変数は以下の式によって関連付けられ、これらは状態空間方程式として知られています。
伝達関数を使用した状態モデルの表現
分解:これは、与えられた伝達関数から状態モデルを得るプロセスとして定義されます。現在、伝達関数を3つの異なる方法で分解することができます。
直接分解、
カスケードまたは直列分解、
並列分解。
上記のすべての分解方法において、まず与えられた伝達関数を微分方程式(ダイナミック方程式とも呼ばれます)に変換します。微分方程式に変換した後、ラプラス逆変換を取り、分解の種類に対応するモデルを作成します。任意のタイプの伝達関数を状態モデルで表現できます。電気モデル、機械モデルなど、さまざまなタイプのモデルがあります。
A、B、C、Dの項での伝達行列の表現。伝達行列を出力のラプラス変換に対する入力のラプラス変換として定義します。状態方程式を再度書き、両方の状態方程式のラプラス変換を取ると(初期条件がゼロであると仮定)、
この方程式を以下のように書くことができます。
ここで、Iは単位行列です。
ここでX(s)の値をY(s)の方程式に代入し、D = 0(つまり、Dは零行列)とすると、
行列の逆行列は、行列の余因子を行列式で割ったもので置き換えることができるので、表現を再書きすると、
|sI-A|は、ゼロに等しいとき特性方程式としても知られています。
固有値と固有ベクトルの概念
上記で説明した特性方程式の根は、固有値または行列Aの固有値として知られています。固有値に関するいくつかの性質があり、それらは以下の通りです。
任意の正方行列Aとその転置Atは同じ固有値を持ちます。
任意の行列Aの固有値の和は、行列Aのトレースに等しいです。
任意の行列Aの固有値の積は、行列Aの行列式に等しいです。
行列Aにスカラー量を乗じた場合、固有値も同じスカラー値で乗じられます。
行列Aの逆行列を求めた場合、その固有値も逆数になります。
行列のすべての要素が実数の場合、その行列に対応する固有値は実数か複素共役のペアになります。
各固有値には対応する固有ベクトルが存在し、次の条件を満たす場合、(ek × I – A)Pk = 0。ここで、k = 1, 2, 3, ……..n。
状態遷移行列とゼロ状態応答
ここでは、状態遷移行列とゼロ状態応答の式を導出することに興味があります。再び上記で導出した状態方程式を取り、それらのラプラス変換を取ると、
上記の式を再書きすると、
[sI-A] -1 = θ(s)とし、上記の式のラプラス逆変換を取ると、
θ(t)という表現は状態遷移行列として知られています。
L-1.θ(t)BU(s) = ゼロ状態応答。
状態遷移行列のいくつかの性質について説明します。
上記の式にt = 0を代入すると1が得られます。数学的にはθ(0) = 1と書けます。
θ(t)にt = -tを代入するとθ(t)の逆行列が得られます。数学的にはθ(-t) = [θ(t)]-1と書けます。
また、[θ(t)]n = θ(nt)という重要な性質もあります。