
初期値定理はラプラス変換の基本的な性質の一つです。これは、フランスの著名な数理物理学者ピエール・シモン・マルキ・ド・ラプラスによって与えられました。彼はニュートンの重力理論を応用して惑星運動の分野で重要な貢献をしました。彼の確率論と統計学に関する研究は先駆的であり、これにより新しい世代の数学者たちに大きな影響を与えました。ラプラスは、エッフェル塔に名前が刻まれた72人の一人です。
初期値定理と最終値定理は、共に限界定理と呼ばれます。初期値定理はしばしばIVTと呼ばれます。これは、与えられた変換関数(ラプラス)に対して、時間t = (0+)での初期値を見つけることを可能にし、f(t)を見つけるためにより多くの労力を必要とすることなく、そのような場合に煩雑なプロセスを避けることができます。
関数f(t)とその導関数f'(t)はラプラス変換可能であるべきです。
時間が(0+)に近づくとき、関数f(t)は存在するべきです。

関数f(t)はt > 0で0であり、原点にインパルスや高次の特異点を含まない。
f(t)とF(s)がラプラス変換の対である場合。つまり
すると、初期値定理は以下のように与えられます
関数f(t)のラプラス変換は
すると、その導関数f'(t)のラプラス変換は
まず積分部分を考えます

(2)を(1)に代入すると
両辺からf(0–)を消去すると
上記の式をそのまま書くこともできますが、積分の範囲を(0–から∞)に設定したのは、負の値の範囲を考慮しても結果は正の値を持つようにするためです。
注:
ラプラス変換は因果関数に対してのみ適用可能です。
(3)の両辺でsが無限大に近づくと
よって、初期値定理が証明されます。
初期値定理の目的は、ラプラス変換が与えられている場合に関数f(t)の初期値を決定することです。
例1:
関数f(t) = 2 u(t) + 3 cost u(t)の初期値を求めよ。
解:
初期値定理によれば
初期値は5です。
例2:
変換された関数の初期値を求めよ。
解:
初期値定理によれば
[s → ∞の場合、sの値はより重要ではなくなるため、単純に最高次の係数の比を取ることで結果を得ることができます]