デルタ-スター変換は、三相電気回路のインピーダンスを「デルタ」構成から「スター」(または「Y」)構成に、またはその逆に変換する電気工学の技術です。デルタ構成は、各相が他の2つの相と接続された閉ループ回路です。スター構成は、3つの相が共通点または「中性点」に接続された回路です。
デルタ-スター変換により、三相回路のインピーダンスを、特定の解析または設計問題に最も適したデルタまたはスター構成で表現することができます。この変換は以下の関係に基づいています:
デルタ構成におけるフェーズのインピーダンスは、対応するスター構成のフェーズのインピーダンスを3で割った値に等しい。
スター構成におけるフェーズのインピーダンスは、対応するデルタ構成のフェーズのインピーダンスを3倍した値に等しい。
デルタ-スター変換は、特にデルタ接続とスター接続の要素を含む三相電気回路の解析と設計に有用なツールです。エンジニアはこれを用いて対称性を利用して回路の解析を簡略化し、回路の動作を理解しやすく、効果的に設計することができます。
図に示すデルタネットワークを考えてみましょう:
第3端子が開放されている場合、以下の式はデルタネットワークの2つの端子間の等価抵抗を表します。
RAB = (R1+R3) R2/R1+R2+R3
RBC = (R1+R2) R3/R1+R2+R3
RCA = (R2+R3) R1/R1+R2+R3
上記のデルタネットワークに対応するスターネットワークは以下の図に示されています:
スターネットワークの第3端子が開放されている場合、以下の式は2つの端子間の等価抵抗を示します。
RAB = RA+RB
RBC = RB+RC
RCA = RC+RA
前の式の右辺の項を左辺の項が同じであるものと等しくすることで、以下の式を得ることができます。
式1: RA+RB = (R1+R3) R2/R1+R2+R3
式2: RB+RC = (R1+R2) R3/R1+R2+R3
式3: RC+RA = (R2+R3) R1/R1+R2+R3
上記の3つの式を組み合わせることで、次の式を得ます:
2(RA+RB+RC) = 2 (R1R2+R2R3+R3R1)/R1+R2+R3
式4: RA+RB+RC = R1R2+R2R3+R3R1/R1+R2+R3
式4から式2を引くと、