
制御システムの次数は、その伝達関数の分母にある‘s’のべき乗によって決定されます。
制御システムの伝達関数の分母におけるsのべき乗が2である場合、そのシステムは二次制御システムと呼ばれます。
二次制御システムの伝達関数の一般的な表現は以下の通りです
ここで、ζとωnはそれぞれシステムの減衰比と固有周波数です(これらの2つの用語については後で詳しく説明します)。
上記の式を再編成すると、システムの出力は以下のようになります
システムの入力を単位ステップ関数とした場合、システムの出力方程式は以下のように書き換えることができます



上記の方程式の逆ラプラス変換を取ると

出力c(t)の上記表現は以下のように書き換えることができます
応答信号の誤差はe(t) = r (t) – c(t)で与えられ、したがって。
上記の表現から明らかなように、ζ < 1の場合、信号の誤差は指数的に減少する振幅を持つ振動型です。
振動の周波数はωdであり、指数的減衰の時間定数は1/ζωnです。
ここで、ωdは減衰振動の減衰周波数と呼ばれ、ωnは振動の自然周波数です。ζは減衰に大きな影響を与えるため、この項は減衰比と呼ばれます。
減衰比の値によって出力信号の挙動は異なるので、各ケースを一つずつ検討してみましょう。
これを基に、二次制御システムの時間応答を解析します。まず、周波数領域で二次制御システムの単位ステップ応答を解析し、その後それを時間領域に変換します。
減衰比がゼロの場合、出力信号の上記表現を以下のように書き換えることができます
この表現には指数項がないため、単位ステップ入力関数に対する制御システムの時間応答は減衰比がゼロの場合、非減衰となります。
ハサン著『自動制御システム』第6章図6.4.3. ページ137。
次に、減衰比が1の場合を検討してみましょう。


この出力信号の表現には、単位ステップ関数に関連する振動部分がありません。したがって、この二次制御システムの時間応答は臨界減衰と呼ばれます。
次に、減衰比が1より大きい場合の単位ステップ入力関数に対する二次制御システムの時間応答を検討します。
上記方程式の両辺の逆ラプラス変換を取ると

上記の表現には2つの時間定数があります。
ζが1よりも大幅に大きい場合、時間応答への高速時間定数の影響は無視でき、最終的な時間応答表現は以下のようになります
ハサン著『自動制御システム』ページ139 図6.4.5。
単位ステップ入力関数に対する二次制御システムの時間応答表現は以下の通りです。
出力応答のエラー部分の指数項の負のべき乗の定数の逆数が、実際には出力応答の減衰を担っています。
ここでは、それがζωnです。エラーシグナルの指数項の負のべき乗の定数の逆数は時間定数として知られています。
すでに検討したように、ζ(減衰比とも呼ばれる)が1未満の場合、応答の振動は時間定数1/ζωnで指数的に減衰します。これは過減衰応答と呼ばれます。
一方、ζが1より大きい場合、システムに与えられる単位ステップ入力に対する応答には振動部が含まれません。
これは過減衰応答と呼ばれます。また、減衰比が1の場合(ζ = 1)も検討しました。
その場合、応答の減衰は自然周波数ωnによって支配されます。この状態での実際の減衰は臨界減衰と呼ばれます。
すでに見たように、単位ステップ入力関数に対する制御システムの時間応答の関連表現において、応答に振動部が存在するのは減衰比(ζ)が1未満の場合であり、減衰比が1の場合には存在しません。
つまり、減衰比が1になると応答の振動部が消えます。そのため、ζ = 1での応答の減衰は臨界減衰と呼ばれます。