電気工学において、最大電力伝送定理は、パッシブで2ポートの線形ネットワークにおいて、負荷抵抗(RL)がテヴェナン等価抵抗(RTH)と等しい場合に、負荷への伝送される電力が最大化されることを示しています。ネットワークのテヴェナン等価抵抗とは、ネットワークの端子間で全ての電圧源を取り除き、端子を短絡したときに見られる抵抗です。
最大電力伝送定理は、負荷への伝送される電力が負荷抵抗と負荷での電圧および電流の関数であるという考えに基づいています。負荷抵抗がネットワークのテヴェナン等価抵抗と等しいとき、負荷での電圧と電流が最大化され、負荷への伝送される電力も最大化されます。
最大電力伝送定理は、特に可能な限り多くの電力を負荷に伝送することが目的である場合、電気回路やシステムの設計に有用なツールです。これにより、エンジニアは特定のネットワークに対して最適な負荷抵抗を決定し、負荷への伝送される電力を最大化することができます。
最大電力伝送定理は、線形かつパッシブな2ポートネットワークにのみ適用可能です。非線形ネットワークや2ポート以上のネットワークには適用できません。また、アンプリファイアなどを含むアクティブネットワークにも適用できません。
ここで、
電流 – I
電力 – PL
テヴェナン電圧 – (VTH)
テヴェナン抵抗 – (RTH)
負荷抵抗 - RL
負荷抵抗に消費される電力は
PL=I2RL
上記の式にI=VTh /RTh+RL を代入します。
PL=⟮VTh/(RTh+RL)⟯2RL
PL=VTh2{RL/(RTh+RL)2} (式1)
最大または最小に達するとき、1次導関数はゼロになります。したがって、式1をRLで微分し、それをゼロに固定します。
dPL/dRL=VTh2{(RTh+RL)2×1−RL×2(RTh+RL) / (RTh+RL)4}=0
(RTh+RL)2−2RL(RTh+RL)=0
(RTh+RL)(RTh+RL−2RL)=0
(RTh−RL)=0
RTh=RL または RL=RTh
したがって、RL=RTh – 最大の電力消費のための条件です。つまり、負荷抵抗の値がソース抵抗、すなわちテヴェナン抵抗の値と等しい場合、負荷に分配される電力は最大化されます。
最大電力伝送の値
以下を代入します:RL=RTh& PL=PL,Max (式1)。
PL,Max=VTh2{RTh/ (RTh+RTh)2}
PL,Max=V