グラフ理論におけるカットセット行列について話すとき、一般的には基本カットセット行列を指します。カットセットは、連結グラフの枝の最小集合であり、これらの枝を取り除くとグラフが2つの部分(サブグラフ)に分離されます。カットセット行列は、各カットセットを行ごとに取り入れることで得られる行列です。カットセット行列は[Qf]という記号で表されます。

グラフから枝[1, 2, 5, 6]を選択してカットセットを作成すると、2つのサブグラフが得られます。
つまり、別の言い方をすれば、与えられたグラフに対する基本カットセットは、1つのツイッグと残りのリンクで形成されるカットセットであると言えます。ツイッグは木の枝であり、リンクはコツリーの枝です。
したがって、カットセットの数はツイッグの数に等しくなります。
[ツイッグの数 = N – 1]
ここで、Nは与えられたグラフまたは描かれた木のノードの数です。
カットセットの向きはツイッグと同じ向きであり、これは正とされます。
カットセット行列を描画する際には以下の手順を従うべきです。カットセット行列の手順は以下の通りです。
与えられたネットワークまたは回路(与えられている場合)のグラフを描きます。
次にその木を描きます。木の枝はツイッグとなります。
そして、グラフの残りの枝を点線で描きます。これらの枝はリンクとなります。
木の各枝またはツイッグは独立したカットセットを形成します。
カットセットを行として枝を列として行列を書きます。
| 枝 ⇒ | 1 | 2 | 3 | . | . | b | |
| カットセット | |||||||
| C1 | |||||||
| C2 | |||||||
| C3 | |||||||
| . | |||||||
| . | |||||||
| Cn | |||||||
n = カットセットの数。
b = 枝の数。
Qij = 1; 枝Jがカットセット内にあり、木の枝と同じ向きを持つ場合。
Qij = -1; 枝Jがカットセット内にあり、木の枝とは逆向きを持つ場合。
Qij = 0; 枝Jがカットセット内にない場合。
例1
次のグラフのカットセット行列を描いてください。
解答:
ステップ1: 次のグラフの木を描きます。
ステップ2: 今度はカットセットを特定します。カットセットは、1つのツイッグと任意の数のリンクのみを含むノードです。
ここではC2, C3 および C4 がカットセットです。
ステップ3: 今度は行列を描きます。