VS1室内高圧真空回路遮断器の故障分析と改善策
VS1室内高圧真空回路遮断器は12kV電力システムで使用される室内スイッチング装置です。その優れた性能により、定格動作電流での頻繁な操作や短絡電流の複数回遮断が必要な場所に特に適しています。VS1室内高圧真空回路遮断器の動作機構は、回路遮断器本体と一体化されています。
これは専用の推進機構と共にトロリーユニットを形成するだけでなく、固定設置ユニットとしても使用できます。さらに、固定型回路遮断器は機械的連鎖の信頼性を向上させることができます。本論文ではVS1真空回路遮断器の焼損故障について分析し、材料選択、設置、操作、メンテナンスに関する改善策を提案します。
1. 故障状況
2024年4月、220kV変電所のXキャパシタバンクのNo. 224回路遮断器(VS1真空回路遮断器)が故障によりトリップしました。現場の運軶員による検査により、回路遮断器のW相の可動接点と静止接点、および接触アームが重度に焼損しており、再稼働不能であることが確認されました。この状況は直ちに報告されました。メンテナンス要員が現場に到着し、配電部門の承認を得て、No. 224回路遮断器と10kVバスバーを停止しました。
同日の13:00、欠陥処理のために事故緊急修理命令が作成されました。メンテナンス要員が事故スイッチの関連部品を現場で検査し、No. 224回路遮断器のW相の可動接点と静止接点、および盤内の接触箱が重度に焼損していることを確認しました。
2. 故障原因分析
XキャパシタバンクのNo. 224回路遮断器はVS1-12/T1250-25型で、2005年6月3日に運用開始されました。総合的な検査に基づき、実際の現場状況から以下の事故状況の分析を行いました:

主な原因: 回路遮断器本体の梅形可動接点のバネの劣化がこの事故の主な原因です。現場でのメンテナンス過程で、最も重度に焼損していたのは梅形可動接点のバネでした。現場の状況は、W相の可動接点のバネがほとんど溶けてしまい、V相の可動接点のバネも退火していました。新旧接点を比較すると、No. 224回路遮断器の長時間の運転により、古い接点のバネが重度に劣化し、可動接点の接触圧力が低下し、接触抵抗が増大して過熱しやすくなっていたことがわかります。また、キャパシタバンクの回路遮断器は大電流の切断能力に対する要求が高く、キャパシタの切り替えが比較的頻繁に行われるので、切断過程で可動接点と静止接点が不良接触になりやすく、バネの劣化を引き起こし、仮接続放電を引き起こし、接点が焼損します。
二次的な原因: 回路遮断器本体の長期運転と車体の振動移動がこの事故の二次的な原因です。No. 224回路遮断器は長期間運転または温備で運用されてきました。キャパシタバンクの切り替え過程で、回路遮断器本体が振動し、車体が微小に移動することで、三相の可動接点と静止接点の接触がずれてしまいます。メンテナンス要員が現場でラックイン・ラックアウト操作を行った際に、車体と盤トラックの間に一定の隙間があることを確認しました。回路遮断器の長期的な切り替え操作中に、トロリーが移動する可能性があります(W相の焼損と他の二つの非故障相を比較することで、この結論が導かれます。V相の可動接点のバネと接触指が退火していましたが、U相の可動接点は全く変化していません)。この判断に基づくと、事故発生時にはU相の可動接点と静止接点の接触寸法は正常でしたが、V相の可動接点と静止接点の接触は少し浅く、W相は仮接続か不適切な接触寸法でした。
3. 故障対処状況
メンテナンス要員は現場でNo. 224回路遮断器のW相の可動接点と静止接点、および盤内の接触箱を交換しました。完了後、No. 224回路遮断器に対して機械特性試験と接触抵抗測定を行い、同時に10kVバスバーとNo. 224回路遮断器に対して耐電圧試験を行いました。すべての試験が合格し、運用要求を満たしました。同日の17:00に電力供給が復旧しました。

4. 改善策
材料選択: 入網真空回路遮断器の各部品の材料選択を厳しく制御します。梅形接点、動作機構、二次プラグなどの部品の材料選択と機械寸法については、製品技術要件に厳密に従って、設備の信頼性を向上させます。
設置工程: 真空回路遮断器のトロリーと盤の設置工程を強化します。トロリーと回路遮断器は堅固かつ確実に設置され、トロリーは盤内で自由に出入りでき、詰まりがないようにします。トロリーが動作、メンテナンス、または待機位置にあるときには、堅固に固定されなければなりません。同時に、その可動接点と静止接点の接触圧力と挿入深度は製品技術要件を満たさなければなりません。接触圧力不足や振動移動は厳禁です。
設備検査: 設備の検査を強化します。盤内にVS1真空回路遮断器を使用する10kVキャパシタバンク回路遮断器の全体的な検査を強化します。切り替え回数に応じて定期的に検査を行い、可動接点と静止接点の接触圧力が設備の安全かつ安定した運転要件を満たすことを確認します。