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PT二次配線の誤りによるGIS装置の爆発事故

Felix Spark
フィールド: 故障とメンテナンス
China

1. 事故概要

新設の110kV変電所のGISが、PT二次回路のショートにより試運転中に爆発しました。原因は単純でしたが、結果は深刻で、反省が必要です。

2. 事故経緯

送電日の出来事:

  • 上位の電源から110kV GIS(複合機器)に充電を行いました。

  • 受電スイッチを閉じて110kVバスに初めて通電した後20秒で、PT室と制御盤の間から白煙が発生しました。

  • さらに10秒以内に、バスPTのGIS室が爆発しました。上位の電源が遮断され、PT室の円板絶縁体が破裂し、GIS室内には絶縁体の破片とSF₆の燃焼生成物が充満しました。

3. 原因分析
3.1 現場調査

110kV PT(上海MWB製、電磁式)は以下の仕様を持っています:

  • 基本二次巻線:100/√3 V (150VA, 0.2級)。

  • 補助二次巻線:100V (150VA, 3P級)、設計上使用せず(制御盤端子台まで配線され、外部接続なし)。

主要な発見点:

  • C相:PT二次巻線の絶縁が重度に焼損し、基本巻線の導体が焦げています。補助巻線の導体絶縁が完全に焼け落ち、補助巻線と鉄心間の絶縁筒も焦げています。基本巻線と補助巻線間の絶縁抵抗値は0。

  • B相:基本二次巻線の外側絶縁に焼損痕があり、内部塗膜は無傷。補助巻線表面の絶縁に過熱による焦げ跡があります。

  • A相:基本二次巻線表面の絶縁に軽微な焼損痕あり、他の導体や絶縁は無傷。

初步的な結論: PT二次回路のショート、おそらくB/C相の補助巻線で。

さらなる制御盤検査: B/C相の補助巻線が内部でショートしていました。設計上の接続(C-ncfを端子11へ、B-nbfを端子15へ)が誤って(C-ncfを12へ、14-cfとショート、B-nbfを16へ、18-bfとショート)行われていました。

3.2 事故の進行

  • ショート開始:一次システムの閉鎖後、B/C相の補助巻線(cf, ncf; bf, nbf)がショート→B/C相の電圧低下。

  • B相のショート終了:20秒後、B相のショートが切断(一次リードがアークによって焼損)。短時間のため、B相の補助巻線は過熱のみ。

  • C相の結果:43秒のショート(事故記録による)により、C相の二次導体が過熱→絶縁体が溶けたり焦げたり。これが白煙の原因です。

  • 絶縁劣化:PT補助巻線の絶縁体の溶けたことにより、PT室のSF₆ガスが劣化→絶縁レベルの低下。

  • 放電:絶縁レベルの低下と相対接地距離の近さにより、A/B/C相がGISシェルに放電。

  • 爆発:アークエネルギーによりガス室の圧力が上昇→PT円板絶縁体が破裂。

3.3 人的ミス

試運転中:

  • 技術者がPTの極性と絶縁を再確認しました。

  • 利便性のために、制御盤端子台からPT二次回路を取り外しました。

  • 誤ってB/C相の補助巻線の端をショートさせ、確認せずに放置→B/C相の補助巻線がショート。

4. 予防措置
4.1 PT二次回路の安全性

PT二次回路のショートは部品の損傷やPTの焼損を引き起こします。閉鎖型GIS室内に設置されているため、PTの故障は爆発を引き起こし(負傷リスクや修理遅延)、GIS内PTの設置および配線には厳格な注意が必要です。

4.2 二次回路のプロトコル

「電気安全作業規程」および「リレー保護現場作業保安規程」では、分解・配線作業に二次作業安全票を使用することが義務付けられています。これらを使用し、リスク管理を統合することで、作業量や時間のプレッシャー下での誤配線を防ぐことができます。

4.3 通電前の試験

通電前のPT試験を強化(標準化、文書化)。厳格な試験実施により、粗雑な作業によるエラーを防ぎます。

4.4 組織的・保護措置

委託された設備を保護(キャビネットのロック、シールの使用)。承認後のみ変更を行い、監督下での復旧を行う。

4.5 使用しない回路の除去

使用しない二次回路を除去(エラーリスクの低減)。ここでは、使用していない補助巻線(制御盤に配線)が誤配線により事故を引き起こしました。

4.6 PT本体の空気スイッチ

PT本体の配線箱に二次空気スイッチを設置(現在の制御盤内の設定ではGIS-PT回路を保護できません)。これにより、PT二次出力以下での故障を隔離できます。事故の再構築、原因分析、そして6つの予防措置の提案を通じて、GIS二次回路の安全性のロードマップが確立されます。

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