補償定理

補償定理の概念

この定理は基本的な概念に基づいています。オームの法則によれば、電流がどの抵抗を通過するときも、その抵抗に電圧降下が生じます。この電圧降下は電源電圧に対抗します。したがって、ネットワーク内の任意の抵抗での電圧降下は、電源電圧に対して反対方向に作用する電圧源として考えることができます。補償定理はこの概念に基づいています。

補償定理の説明

この定理によれば、ネットワーク内の任意の抵抗は、内部抵抗がゼロで、その抵抗に流れる電流によって生じる電圧降下と等しい電圧を持つ電圧源に置き換えることができます。

複雑なネットワークの抵抗ブランチを考えると、その値がRであるとします。電流Iがこの抵抗Rを通過し、その結果生じる電圧降下V = I.Rがあると仮定します。補償定理によれば、この抵抗は、ネットワークの電圧または電流Iの方向とは反対方向に作用する電圧V (= IR)を持つ電圧源に置き換えることができます。

補償定理の例

補償定理は以下の例から理解できます。

16Vの電源を持つネットワークでは、異なる抵抗ブランチを通るすべての電流が最初の図に示されています。右端のブランチを通る電流は2Aで、その抵抗は2Ωです。この右端のブランチを、次のように示す電圧源に置き換えると、ネットワークの他のブランチを通る電流は同じままです。

出典: Electrical4u.

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