安全のため、最大温度および最小負荷条件での導線の地上高は維持する必要があります。送電線においてサグと張力の分析は、電力サービスの継続性と品質にとって重要です。導線の張力が限度を超えて増加すると、導線が断裂し、システムの電力供給が中断する可能性があります。
二つの水平な支持点間の導線の垂れ下がりをサグと呼びます。つまり、電柱または塔(導線が接続されている)の最高点と、二つの隣接する水平な支持点間の導線の最低点との垂直距離をサグと呼びます。以下の図に示すように、二つの電気的支持点間の水平距離をスパンと呼びます。

導線の重量が線路全体に均等に分布している場合、自由に吊られた導線は放物線の形を取ると仮定されます。スパン長が増えるにつれてサグの大きさも増加します。小スパン(最大300メートル)では、放物線法がサグと張力の計算に使用されますが、大スパン(例えば川の横断)では懸垂線法が使用されます。
サグに影響を与える要因
導線の重量:導線のサグはその重量に比例します。氷の付着により導線の重量が増加し、サグも増加します。
スパン:サグはスパン長の2乗に比例します。長いスパンほどサグが大きくなります。
張力:サグは導線の張力に反比例します。ただし、高い張力は絶縁子や支持構造にかかる応力を増加させます。
風:風は傾斜方向でのサグの増加を引き起こします。
温度:低温ではサグが減少し、高温ではサグが増加します。