 
                            変圧器の引き出し線、ブッシング、内部部品におけるショートサーキット故障に対して、適切な保護装置を設置し、以下の規定に従うものとする。
単独運転する10 MVA以上の変圧器および並列運転する6.3 MVA以上の変圧器には、パイロット差動保護を設置する。単独運転する6.3 MVA以下の重要な変圧器もパイロット差動保護を設置することが推奨される。
10 MVA未満の変圧器には瞬時過電流保護と過電流保護を設置できる。2 MVA以上の変圧器において、瞬時過電流保護の感度係数が要求を満たさない場合は、パイロット差動保護を設置することが推奨される。
0.4 MVA以上、一次電圧10 kV以下、デルタ・スター巻き付け接続の変圧器には、二相三リレー式過電流保護を使用できる。
上記で指定されたすべての保護装置は、変圧器のすべての側の遮断器をトリップさせるように動作する。
変圧器の運転中に内部故障が発生した場合、その検出や迅速な対処が困難であり、事故につながる可能性がある。ガスリレープロテクションの設置により、このような事態を一定程度防ぐことができる。
ガス保護の概要
ガス保護は変圧器の主要な保護の一つであり、非電気的保護に属する。軽ガス保護と重ガス保護に分けられる。動作原理は異なる:軽ガス保護は、内部の小さな故障によって絶縁油が加熱されガスを生成すると、リレーの上部にガスが蓄積し、開放カップが浮力を失って沈み、リードスイッチが閉じて警報信号を送信する。重ガス保護は、重大な内部故障により油が急速に膨張またはアークにより大量のガスが生成され、高速の油流が油タンクに向かうと、リレー内のバッフルに衝突してバネの抵抗を克服し、磁石が移動してリードスイッチを閉じ、トリップコマンドを発生させる。通常はトリップモードに設定される。大容量油浸型変圧器の非電気的保護には、圧力解放保護や急激な圧力変化保護も含まれることが多い。

軽ガス保護と重ガス保護の主な違いは、リレーの設定値にある:軽ガス保護は警報信号のみを発生させ、重ガス保護は直接トリップを開始する。
零相電圧は三相電圧のベクトル和に等しい。零相電流の計算方法も同様である。
重ガス保護の原理はフロートとリードリレーに基づいている。リレーの油室は変圧器タンクに接続されている。故障によりガスが生成されると、ガスの蓄積によりフロートが一定位置まで下がり、第一段階の接触が閉じて軽ガス警報を発生させる。ガスがさらに蓄積すると、フロートがさらに下降し、第二段階の接触が閉じ、重ガス回路が閉じて遮断器をトリップさせる。
軽ガス保護と重ガス保護の動作原理の違い
軽ガスリレーは開放カップとリード接触から構成され、信号を送信する。重ガスリレーはバッフル、バネ、リード接触から構成され、トリップを行う。
通常運転時には、リレーは油で満たされ、開放カップは浮力により浮いてリード接触を開いた状態を保つ。小さな内部故障が発生すると、ゆっくりと上昇するガスがリレーに入り、油位が低下する。開放カップは支点を中心に反時計回りに回転し、リード接触が閉じて警報信号を発生させる。重大な内部故障が発生すると、大量のガスが急速に生成され、タンクの圧力が急激に上昇し、高速の油流が油タンクに向かう。この流れはリレーのバッフルに衝突し、バネの抵抗を克服し、磁石がリード接触に近づき、接触が閉じてトリップを発生させる。
リレーのリレーチャラクタリスティックとは、その入力と出力量の全体的な動作過程における関係を指す。動作中でも復帰中でも、リレーは初期位置から最終位置まで直接移動し、途中の任意の位置に停止しない。「ステップチェンジ」特性として知られている。
 
                                         
                                         
                                        