発電機回路遮断器(GCB)の閉鎖操作が、GCBの一側にある発電機の電圧ベクトルと他側の外部電力網の電圧ベクトルとの間に同期がないタイミングで実行された場合、非同期状態が発生します。また、システム不安定により発電機が非同期状態で動作する場合も一般的であり、その際にはGCBのトリップが必要となります。
このような中断の深刻さは、非同期角度δに直接関連しています。δが90°を超えると発電機は大きなリスクにさらされるため、保護リレーは通常δ=90°程度でトリップ設定されます。標準化された非同期一時回復電圧(TRV)値は、額定電圧における90°の非同期角度に基づいて確立されています。小さな発電ユニットでは、より大きな非同期角度が発生することもあります。

非同期角度δが90°に達すると、電流はシステムによって供給される故障電流の約50%になります。電圧側では、GCBは回復電圧上昇率(RRRV)がシステムソース故障の場合とほぼ同等であるTRVに晒されますが、そのピーク値はほぼ2倍です。標準で指定されている非同期電流は、システムソース故障電流の半分に設定されています。
図は、さまざまな発電機故障に対する標準化されたTRV波形を示しており、24 kV GCBの100%故障のTRVと比較することで、異なる故障条件での電気特性の明確な視覚的比較が可能です。