MMF法、つまりアンペアターン法は、同期インピーダンス法とは異なる原理に基づいて動作します。同期インピーダンス法が電枢反作用の影響を仮想リアクタンスで置き換えるのに対し、MMF法は磁動力に焦点を当てています。具体的には、MMF法では、電枢漏れリアクタンスの影響を等価の追加電枢反作用MMFで置き換えます。これにより、この等価MMFと実際の電枢反作用MMFを組み合わせて、電気機器の挙動を分析する別のアプローチが可能になります。
MMF法を使用して電圧調整率を計算するためには、以下の情報が必要です:
各相のスタータ巻線抵抗。
同期速度での開回路特性。
短絡特性。
MMF法の位相図の描き方
遅れ力率の場合の位相図は以下の通りです:

基準ベクトルの選択:
各相の電枢端子電圧Vを選択し、OA線上に表示します。これは位相図の構築の基礎となり、他のベクトルの固定された参照点となります。
電枢電流ベクトルの描画:
電圧調整率を計算するための遅れ力率角ϕに対して、電枢電流ベクトルIaは電圧ベクトルよりも遅れて描画されます。これは、遅れ力率電気システムにおける電流と電圧の位相差を正確に反映しています。
電枢抵抗降下ベクトルの追加:
電枢抵抗降下ベクトルIa Raを描画します。抵抗の電圧降下は通過する電流と同相であるため、Ia RaはIaと同相でAC線上に描画されます。OとCを結ぶと、OC線は電動力E'を表します。このE'は位相図の構築における中間量であり、MMF法を使用した電気機器の特性のさらなる分析に役立ちます。

上記の開回路特性に基づいて、電圧E'に対応するフィールド電流If'を計算します。
次に、フィールド電流If'を描画し、それが電圧E'より90度先行するようにします。ショートサーキット状態では、全励磁が電枢反作用の磁動力(MMF)によって打ち消されるという仮定を行います。この仮定は、極端な電気条件下でのフィールドと電枢の相互作用を理解する上で基本的です。

上記のショートサーキット特性(SSC)を参照して、ショートサーキット条件での定格電流を駆動するのに必要なフィールド電流If2を決定します。この特定のフィールド電流は、同期リアクタンス降下Ia Xaを補償するために必要です。
その後、フィールド電流If2を電枢電流Iaの位相と完全に反対の方向に描画します。このグラフィカル表現は、ショートサーキットイベント中にフィールドと電枢の磁気効果が互いに反対することを視覚的に示すために重要です。

結果のフィールド電流の計算
まず、フィールド電流If'とIf2のベクトル和を計算します。この合計値が結果のフィールド電流Ifとなります。このIfは、発電機が無負荷条件下で動作しているときに電圧E0を生成するフィールド電流です。
開回路起電力の決定
フィールド電流Ifに対応する開回路起電力E0は、発電機の開回路特性から得られます。これらの特性は、発電機に負荷が接続されていない場合のフィールド電流と生成された起電力との関係を提供します。
発電機の調整率の計算
以下に示す関係を使用して、発電機の電圧調整率を決定することができます。この調整率は重要なパラメータであり、発電機がさまざまな負荷条件下で出力電圧をどのように維持するかを示します。

これがMMF法による電圧調整率のすべてです。