水平配置
均一な電界分布:水平配置では、3相導体は同一の水平面上に配置されます。この配置は、導体周辺の電界分布をより均一にするのに役立ちます。均一な電界分布はコロナ放電の発生を減らすことができます。コロナとは、高電圧下で導体周囲の空気がイオン化される際に発生する放電現象であり、これにより電力損失や無線干渉が引き起こされます。
建設と維持管理の容易さ:水平配置の鉄塔構造は比較的単純であり、建設時に導体の設置が容易です。また、後々の維持管理や修理作業においても、各導体へのアクセスが容易になり、点検、修理、交換などの作業が便利に行えます。
通路地形に適応:比較的平坦な地形で広い線路通路を持つ地域では、水平配置は空間を十分に活用し、線路の土地占有面積を削減することができます。
垂直配置
線路通路の節約:垂直配置では、3相導体が鉄塔に沿って垂直に配置されます。この配置は横方向のスペースをあまり占めず、狭い線路通路を持つ都市中心部や地形が限られた山岳地帯などに適しています。
線路の安定性向上:垂直配置された導体は風や地震などの外力を受ける場合でも、重心が低いため相対的に安定性が高いです。水平配置と比べて、風の強い天候下での導体の振動が少なく、導体間の衝突や摩耗を減らし、線路障害の発生頻度を低減することができます。
相間干渉の減少:垂直配置は3相導体間の距離を相対的に大きくすることができ、これにより相間の電磁干渉を減らし、送電の品質と信頼性を向上させることができます。