同期機の短絡比(SCR)
同期機の短絡比(SCR)は、開回路条件下で定格電圧を発生させるために必要なフィールド電流と、短絡条件下で定格アーマチュア電流を維持するために必要なフィールド電流の比率として定義されます。三相同期機の場合、その短絡比は、定格速度での開放回路特性(O.C.C)と短絡特性(S.C.C)から導き出すことができます。以下の図に示すように:
上記の図から、短絡比は以下の式で与えられます。
三角形OabとOdeが相似であるため、以下のようになります。
直軸同期リアクタンス(Xd)
直軸同期リアクタンスXdは、特定のフィールド電流に対応する開放回路電圧と、同じフィールド電流条件下でのアーマチュア短絡電流の比率として定義されます。
フィールド電流の大きさがOaの場合、直軸同期リアクタンス(オーム単位)は以下の式で表されます。
SCRと同期リアクタンスの関係
式(7)から、短絡比(SCR)は単位系直軸同期リアクタンスXdの逆数であることが明らかです。飽和磁気回路では、Xdの値は磁気飽和度によって決まります。
短絡比(SCR)の重要性
SCRは同期機にとって重要なパラメータであり、その動作特性、物理的な寸法、コストに影響を与えます。主な意味合いは以下の通りです。
同期機の励磁電圧は以下の式で表されます。
Tphが同じ値の場合、励磁電圧は極ごとのフィールド磁束に比例します。
同期インダクタンスは以下の通りです。
SCRとエアギャップの関係
したがって、短絡比(SCR)はエアギャップのリレクタンスまたはエアギャップ長に比例します。エアギャップ長を増やすとSCRが上がりますが、これは同じ励磁電圧()を維持するためにより高いフィールド磁動力(MMF)が必要となります。フィールドMMFを増加させるには、フィールド電流またはフィールド巻線数を増やす必要があります。これにより、フィールド極が高く、機械直径が大きくなります。
機械設計への影響
これは重要な結論を導きます:SCRが高いほど、同期機のサイズ、重量、コストが増加します。
機種別の典型的なSCR値
これらの値は、異なる同期機構成における安定性、電圧調整、物理的な寸法の設計トレードオフを反映しています。