性能曲線の定義
直流発電機の性能曲線は、負荷電流が無負荷から満負荷まで変化するにつれて出力電圧がどのように変化するかを示すグラフです。これらは特性曲線とも呼ばれます。これらの曲線は、さまざまなタイプの直流発電機の電圧調整率を理解するのに役立ちます。電圧調整率が低いほど、性能が高いことを示しています。
別励磁式直流発電機
別励磁式の直流発電機は、別途励磁が必要なためコストがかかりますが、その性能は非常に満足できるものとなっています。別励磁式直流発電機では、負荷が増加し、負荷電流が流れ始めると端子電圧が上昇します。
アーマチュア反作用とIRドロップにより、端子電圧にわずかな低下がありますが、これらの低下はフィールド励磁を増加させることで排除でき、一定の端子電圧を得ることができます。以下の図において、曲線ABはこの特性を示しています。
直列巻線式直流発電機
直列巻線式直流発電機では、フィールド巻線に電流が流れないので無負荷時の端子電圧はゼロです。負荷が増加すると、出力電圧が上昇します。負荷電流のわずかな変化でも端子電圧は大きく変動します。アーマチュア反作用とアーマチュア巻線のオーム損失により、出力電圧は生成電圧よりも低くなります。
並列巻線式直流発電機
並列巻線式直流発電機では、シャントフィールド巻線があるため無負荷時にも常に電圧があります。負荷が増加すると、強烈なデマグネット化アーマチュア反作用と抵抗損失により端子電圧が急速に低下します。この端子電圧の急激な低下は負荷電流の減少を引き起こし、このタイプの発電機の性能が悪くなる原因となります。
複合巻線式直流発電機
無負荷時には、このタイプの直流発電機の性能曲線はシャントフィールド発電機と同じです。これは無負荷時には直列フィールド巻線に電流がないためです。負荷が増加すると、シャントDC発電機による端子電圧の低下が生じますが、シリーズDC発電機による電圧の上昇がこれを補います。そのため端子電圧は一定になります。端子電圧は直列フィールド巻線のアンペアターンを制御することで高めたり低めたりすることもできます。以下の図において、曲線FGはこの特性を示しています。
