CBの切り替え操作中のTEE検出方法
回路遮断器(CB)の切り替え操作中に、各遮断部内で電気放電によって一時的な地電圧(TEEs)が生成されます。これらのTEEsは、前走行、再点火、再走行などの破壊的放電により発生し、高振幅と広帯域周波数範囲を示します。これらのTEEsを検出し解析するためには、主に以下の3つの方法が開発されています:
UHFアンテナを使用したTEE検出
説明:この方法では、4つのパッシブ超高周波(UHF)アンテナを使用します。原理は三角測量に基づいており、放出源の位置を特定することで、ライブタンクCBでは各遮断部ごとの分析、デッドタンクCBでは各極ごとの分析が可能です。
適用:ライブタンクCBとデッドタンクCBの両方に適しています。
利点:放電源の正確な位置を提供し、個々の遮断部または極の詳細な分析が可能です。
セットアップ:UHFアンテナは戦略的にCBの周りに配置され、放出された信号をキャプチャし、TEEの起源を決定するために解析されます。
容量センサーを使用したTEE検出
説明:この方法はデッドタンクCBに適しています。CBの近くにアクティブ高周波アンテナ(AA)を設置し、3つの広帯域パッシブアンテナ(PA)を各相導体の下に配置して、電界の容量センサーとして機能させます。
適用:主にデッドタンクCBに使用されます。
利点:容量センサーはTEEによる電界の変化を効果的にキャプチャし、CBの性能を非侵襲的に監視する手段を提供します。
セットアップ:AAはCBの近くに設置され、3つのPAは各相導体の隣に配置されます。この配置により、すべての相でのTEEの検出が可能になり、包括的な監視が確保されます。
一般的なテストアレンジメント(a):AAとPAはCBの周りに配置され、TEE信号をキャプチャします。
AAと3つのPAの配置(b):AAはCBの近くに設置され、3つのPAは275 kVデッドタンクCBの各相導体の下に配置されます。
PDカップラーを使用したTEE検出
説明:この方法は最初の方法(UHFアンテナ)を、直列に複数の遮断部を持つデッドタンクCBに拡張しています。高感度アンテナ、いわゆる部分放電(PD)カップラーを使用してTEEを検出します。
適用:複数の遮断部を直列に持つデッドタンクCBに適しています。
利点:PDカップラーは高い感度を提供し、複雑なCB構成でのTEE検出に理想的です。
セットアップ:PDカップラーは戦略的な場所に配置され、各遮断部からのTEE信号をキャプチャし、CBの性能を詳細に分析することができます。
適用性
これら3つの方法は、具体的な要件とCB設計に応じて、高電圧(HV)および中電圧(MV)回路遮断器の両方に適用できます。
方法2の例のセットアップ
以下は、容量センサーを使用したTEE検出(方法2)の設定例です:
一般的なテストアレンジメント(a):アクティブ高周波アンテナ(AA)はCBの近くに設置され、3つの広帯域パッシブアンテナ(PA)は各相導体の下に配置されます。この配置により、すべての相からのTEEがキャプチャされます。
AAと3つのPAの配置(b):AAは275 kVデッドタンクCBの近くに設置され、3つのPAは各相導体の下に配置されます。このセットアップにより、すべての相でのTEEの検出が可能になり、切り替え操作中のCBの性能を包括的に把握することができます。