定義
測定される量が物理的な効果を生じ、これが可動部を偏転または移動させる計器は、偏転型計器と呼ばれます。つまり、これらの計器は可動部の偏転を基に電気量を測定するため、動態条件での測定に適しています。
偏転型計器には、可動部の移動を打ち消す反対の効果が組み込まれています。これらの反対の効果は、測定された量によって引き起こされる偏転または移動とともにその大きさが増加するように設計されています。バランスは、反対の効果が可動部の偏転または移動を駆動する力と等しくなるときに達成されます。

例
永久磁石式動コイル(PMMC)アンペアメーターでは、可動部の偏転は通過する電流(測定される量)に直接比例します。コイルに作用する偏転トルク\(T_d\)は、電流に直接比例し、次の式で表されます:
Td=GI Equ(1)
ここで、Gは磁束密度、動コイルの面積、巻線数に依存しない定数です。
反対のトルクTcはばねによって生成され、偏転角度θに比例します:
Tc=Kθ Equ(2)
ここで、Kはばねの材質と寸法に依存するばね定数です。
平衡状態では:
Td=Tc Equ(3)
方程式 (3) に Td および Tc を代入すると:
GI = KθI = (K/G)θ
測定される電流は、偏転角度θとメータ定数GおよびKに依存します。電流値は偏転角度θから直接読み取り、これはGおよびKを使用して校正されます。
偏転型計器の欠点
低精度:これらの計器は比較的低い測定精度を示します。
感度低下:感度はゼロ調整型計器と比較して低いです。
校正依存性:測定精度は計器の校正に依存します。