三相ワットメーター
定義: 三相ワットメーターは、三相回路の電力を測定するために使用される計器です。三相ワットメーターでは、2つの個別のワットメーターエレメントが単一のハウジングに組み込まれています。それらの可動コイルは同じスピンドル上に配置されています。
三相ワットメーターは2つの要素で構成されています。各要素は圧力コイルと電流コイルの組み合わせです。ワットメーターでは、電流コイルは固定コイルとして扱われ、圧力コイルは可動コイルとして機能します。
三相ワットメーターは、導体に電流が流れているときに磁界内に配置するとトルクが発生するという原理に基づいて動作します。測定対象の電力が可動コイルを通過すると、これらのコイルにトルクが発生します。トルクは物体を円運動させる効果を持つ機械的な力の一種です。
三相ワットメーターでは、両方の要素にトルクが発生します。各要素のトルクの値は、その要素を通過する電力に比例します。三相ワットメーター全体のトルクは、個々のワットメーターエレメントのトルクの合計です。
数式を使って理解してみましょう。
コイル1に発生する偏向トルクを(D1)、その要素を通過する電力を\(P_1\)とします。同様に、コイル2に発生するトルクを(D2)、その要素を通過する電力を(P2)とします。

コイル全体で発生するトルクは以下の式で表されます。

2つのワットメーターを使用した回路を考えます。両方のワットメーターの電流コイルは、例えばR相とY相に接続されます。両方のワットメーターの圧力コイルは、B相に接続されます。
三相ワットメータの要素間の相互干渉は、その精度に影響を与える可能性があります。相互干渉とは、2つの要素の磁界が互いに作用する現象です。三相ワットメーターでは、要素間に層状鉄シールドが設置されています。この鉄シールドは、要素間の相互影響を効果的に減少させ、ワットメーターの測定精度を向上させます。

ウェストン法を用いることで、相互干渉を補償することができます。ウェストン法では、調整可能な抵抗を使用します。これらの抵抗は、三相ワットメータの要素間で発生する相互干渉を打ち消す役割を果たします。