ダイオード抵抗
抵抗はデバイスを通る電流の流れを妨げます。ダイオード抵抗とは、ダイオードが電流の流れに対して示す効果的な抵抗です。理想的には、ダイオードは順方向バイアスではゼロの抵抗を示し、逆方向バイアスでは無限大の抵抗を示します。しかし、実際には完全なデバイスはありません。実際には、ダイオードは順方向バイアスでは小さな抵抗を持ち、逆方向バイアスでは大きな抵抗を持ちます。ダイオードはその順方向と逆方向の抵抗によって特徴づけられます。
順方向抵抗
ダイオードは順方向バイアスでも、最小閾値電圧に達するまで導通しません。適用される電圧がこの閾値を超えると、ダイオードは導通を開始します。この条件でのダイオードの抵抗を順方向抵抗と呼びます。つまり、順方向抵抗とは、ダイオードが順方向バイアスであるときに示す抵抗です。
順方向抵抗は、直流(DC)または交流(AC)により、静的または動的に分類されます。
静的またはDC抵抗
これは、ダイオードに直流電圧を適用したときに、ダイオードが直流の流れに対して示す抵抗です。数学的には、静的抵抗は、ダイオードの端子間に適用された直流電圧と、それによって流れる直流の比で表されます(図1の黒い点線で示されています)。すなわち、
動的またはAC抵抗
動的抵抗とは、ダイオードが交流電圧源を持つ回路に接続されたときに、交流電流に対して示す抵抗です。これは、ダイオードの電圧変化に対する電流変化の比として計算されます。
逆方向抵抗
ダイオードを逆方向バイアス条件下に接続すると、小さな電流が流れます。これを逆方向リーク電流と呼びます。これは、ダイオードが逆方向モードで動作するとき、完全に電荷キャリアが存在しないわけではないためです。つまり、この状態でも少数キャリアの流れが経験できます。
この電流の流れにより、ダイオードは逆方向抵抗特性を示します(図1の紫色の点線で示されています)。数学的な表現は順方向抵抗と同様で、以下の式で与えられます。
ここで、VrとIrはそれぞれ逆方向電圧と逆方向電流です。
ダイオード抵抗の基本的事実を知った後、「一般的にダイオードは逆方向抵抗と順方向抵抗の比率が高く、そのため基本的に一方向性を持つ」という事実を覚えておくことが重要です。