短絡、過負荷、低電圧保護の違い
短絡保護
短絡保護とは、回路に短絡障害が発生した場合、保護装置が素早く電源を遮断し、設備や配線が過大な電流によって損傷することを防ぐことです。短絡は通常、回路内の配線が直接ショートして、負荷なしで電流が直接逆流するときに発生します。
特徴
大電流： 短絡により電流が急激に増加し、通常は正常な動作電流よりも遥かに大きくなります。
高速応答： 短絡保護装置（例えばブレーカー、ヒューズ）は非常に短時間（ミリ秒単位）で電源を遮断しなければなりません。
保護目的： 設備や配線が過大な電流によって損傷することを防ぐ。
保護装置： 一般的な保護装置にはブレーカー、ヒューズなどがあります。
適用
家庭用配線： 短絡による火災リスクから家庭用配線を保護します。
産業設備： モータ、トランスフォーマーなどの設備を短絡による損傷から保護します。
過負荷保護
過負荷保護とは、回路の電流が定格電流を超えるが短絡レベルには達しない場合、保護装置が適時に電源を遮断し、長時間の過負荷運転による機器の過熱や損傷を防ぐことです。
特徴
長期的な過負荷： 過負荷電流は通常、定格電流よりもわずかに高く、しかし持続時間が長いです。
遅延応答： 過負荷保護装置（例えばサーモリレー、過負荷保護器）は一定期間後に電源を遮断し、瞬間的な過負荷による誤動作を防ぎます。
保護目的： 長時間の過負荷運転による機器の過熱や損傷を防ぐ。
保護装置： 一般的な保護装置にはサーモリレー、過負荷保護器などがあります。
適用
モータ保護： 長時間の過負荷運転によるモータの過熱損傷を防止します。
加熱設備： 過負荷運転による加熱設備の過熱と損傷を防止します。
低電圧保護
低電圧保護とは、回路の電圧が一定の予定値以下になった場合、保護装置が電源を遮断し、低電圧下での異常作動や損傷を防ぐことです。
特徴
低電圧： 低電圧保護は通常、機器の正常な動作に必要な最低限の電圧以下になると発生します。
遅延応答： 低電圧保護装置（例えば低電圧リレー）は、電圧が予定値以下になった後、一定期間後に電源を遮断します。
保護目的： 低電圧下での異常作動や損傷を防ぐ。
保護装置： 一般的な保護装置には低電圧リレー、低電圧ロックアウト装置などがあります。
適用
モータ保護： 低電圧での起動または運転によるモータの過熱と損傷を防止します。
制御システム： 低電圧による制御システムの誤動作や損傷を防止します。
