オペアンプの負帰還
オペアンプの出力端子を適切な抵抗を通じて反転入力端子に接続することで、オペアンプの負帰還を得ることができます。
オペアンプの負帰還時の利得は閉ループ利得と呼ばれます。
オペアンプの閉ループ利得
上記の図のように、フィードバック抵抗と逆入力端子との間に直列抵抗を接続すると、システムの利得はフィードバック抵抗と入力抵抗の比の負値になります。オペアンプには独自の利得がありますが、実際には非常に大きく、理想的には無限大です。オペアンプの固有の利得(オープンループ利得)に関係なく、予め定めた利得をシステムに与えることができます。これを行うには、適切な直列入力抵抗 (Ri) とフィードバック抵抗 (Rf) の値を選択します。オペアンプシステムの利得は以下のようになります。
741 オペアンプの閉ループ利得を理解するために、例を見てみましょう。741 オペアンプのパラメータは以下の通りです。
パラメータ |
値 |
オープンループ利得 |
2 × 105 |
入力抵抗 |
2 MΩ |
出力抵抗 |
5 Ω |
逆入力端子に10 kΩの抵抗を直列に接続し、フィードバックパスに20kΩの抵抗を接続した場合のオペアンプの閉ループ利得を求めます。
入力源を含むオペアンプの等価回路は以下のようになります。
ノード1の電圧をvと仮定し、このノードでキルヒホッフの電流則を適用します。
次に、ノード2でキルヒホッフの電流則を適用します。
図から、以下がわかります。
式 (i) と (ii) から、以下のようになります。
したがって、オペアンプのオープンループ利得は 2 × 105 であり、閉ループ利得は2となります。
もう一つ、オペアンプの閉ループ利得の例を見てみましょう。
上記の741オペアンプ回路の等価回路は以下のようになります。
ノード1の電圧をvとし、キルヒホッフの電流則をノード1に適用します。
等価回路のノードでキルヒホッフの電流則を適用します。
次に、